マンションのリフォームを行いました。
基本的には、動かすことのできない壁や そのまま利用したい壁を除き、全面的に撤去して間取りを変更しました。
一般的にマンションの場合には、戸建ての住宅と比較して撤去できる壁に制限があり、リフォームの余地が少ないようにも思われます。
ただ、建物の構造体を支える部分や外周の壁など、骨格をそのまま活かしてリフォームを行おうとするのならば、戸建てもマンションも、条件としてはそんなに変わらないとも言えます。
ここでは、今回のリフォームの中でキッチンの部分を例にとり、撤去できる壁とできない壁の条件、そして実際に行った改修の状況を紹介したいと思います。
撤去できない壁
一般的にマンションの部屋をリフォームしようとする場合、柱、梁などの構造体を撤去することができないほか、以下の壁は撤去することができません。
- 屋外に接する壁
- 隣の家に接する壁
- パイプスペースを囲む壁
屋外に接する壁
屋外に接する壁については、壁紙の張替は可能ですが、壁本体のコンクリートなどを撤去、あるいは改修することはできないというのが一般的な扱いです。
これは、天井や床についても同様です。
隣の家に接する壁
隣の家に接する壁についても、屋外に接する壁と同様に、壁本体のコンクリートなどを撤去、あるいは改修することはできないというのが一般的な扱いです。
パイプスペースを囲む壁
パイプスペースは、給水管や排水管などを通すスペースで、図面上ではPSと表現されているものです。
マンションの場合、通常は最上階から1階(あるいは地下階)まで直線的に給水管や排水管が貫通しているので、リフォームの際には、原則的にこのパイプスペースの位置を変更することはできません。
そのため、作業の段階で一時的にパイプスペースの壁を外すことはできますが、最終的には、パイプスペースの壁は元の位置に存続させる必要があります。
今回のリフォームで撤去した壁
今回のリフォームにより撤去した壁は下の図のとおりです。

今回のリフォームで撤去した壁
①キッチンと洗濯機置場との間の壁
リフォーム前の洗濯機置場は、キッチンの冷蔵庫置場を挟んだ位置にありました。
洗濯機置場にドアがあり、生活感が出ないようになっていたのですが、位置的には必ずしも使いやすいものではありませんでした。
そのため、キッチンと洗濯機置場との間にある①の壁は撤去してキッチンのスペースを広げ、洗濯機は脱衣所の方に移動することにしました。
②キッチンと廊下を仕切る壁
②の壁はキッチンと廊下を仕切るものですが、この壁によってキッチンが閉鎖的なものとなっていました。
そのため、②の壁を撤去し、開放的なキッチンにリフォームすることにしました。
③キッチンに横付けの壁
③の壁も②の壁と同様に、キッチンを独立した空間とするためにつくられていたものです。
この壁については、キッチンの位置を移動するのに伴い不必要となるので撤去しました。
④キッチンとリビングを仕切る壁
④の壁は、キッチンとリビングを仕切るために壁であり、キッチンで調理を行う際に水や油などがリビング側に跳ねないようにガードするための役割も持っていたものです。
この壁の上部には、食器などを収納するための吊戸棚が設置されていました。
また、シンクの正面と横には開口部があり、リビング側が見通せるようになっていました。
今回のリフォームでは、キッチンを完全にオープン化して対面型とするために、④の壁は撤去することにしました。
⑤リビングと和室を仕切る壁
キッチンをオープンな形にするのに伴い、従来の和室の面積を縮小し、リビングをできるだけ広げるようにしました。
そのため、廊下と和室を仕切る⑤の壁は撤去し、和室を狭めた位置に新たに壁を設置することにしました。
⑥廊下と和室およびリビングを仕切る壁
⑥の壁は、和室側を縮小してリビングを拡大させるために一部を撤去しました。
リフォーム後の状況
リフォーム後の状況は、下の図のとおりです。

リフォーム後の配置
撤去できない壁以外は基本的に撤去し、できるだけ開放的なキッチンとしています。

リフォーム後の状況
ただ、壁は撤去できても柱や梁は撤去できませんので、今回のリフォームの例でいうと、キッチンの上部に梁が突出した状態が残ることにはなります。

キッチン周りの梁の状況
柱や梁は、収納スペースや部屋の仕切り部分などと一体となっている場合もあり、気づきにくいこともありますので、リフォームの計画を行う際には、十分に現況を確認することが必要となります。
以上、マンションのキッチンリフォームで撤去した壁について紹介しました。
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