中古マンションを購入し、そのリフォーム工事を行いました。
基本的には、柱と梁、そしてそのまま利用する壁だけを残してすべて改修しました。
リフォームの計画を行う際には、位置関係や通路幅といったレイアウトについて何度も確認と見直しを繰り返して決定しました。
しかし、実際に工事が始まってみると、現場と図面にズレが生じていたり、図面でイメージしていた位置関係と実際の位置関係が違っていたり、というところもありました。
そういった部分については、現場の状況を確認しながら、可能な限り計画の見直しを行いました。
計画の見直しは、工事が進んでしまってからでは手遅れになることもあります。
そのため、できるだけ早い段階で状況を把握し、リフォーム会社と打合せをすることが必要とです。
ここでは、今回のリフォームを踏まえ、工事中に現場で行うべき確認と、必要に応じた設計の見直しについて取り上げたいと思います。
工事前の図面作成 ―リフォーム図面の精度は高くない場合が多い―
リフォーム工事を行う際の図面については、正確に現況の測量を行うわけではなく、概略の現況図をベースとして作成するというのが一般的です。
現況図は、建築当初の図面が残っていればそれを活用することになりますが、図面と現況とは必ずしも正確に一致していません。
そのため、当初設計図面をベースにリフォームの計画を行うと、多少なりとも現況とズレが生じてしまうことになります。
場合によっては、そのズレが、かなり大きなものになっていることもあります。
また、当初の設計図面も残っていない場合には、要所の寸法を基にした概略的な現況図を作成し、それを基にリフォームの計画を行うことになります。
その結果、リフォーム計画の図面の精度は、非常に低いものとなることもあります。
撤去後の現地確認 ―現況のものをすべて撤去するとリフォームの骨格が分かる―
実際に工事が始まり、現況の壁やキッチン、浴室などをすべて撤去してみると、リフォームを行うフレームがはっきりします。
この段階で、思っていた広さや形の印象が大きく変わることもあります。
また、図面と現況の違いも見えてきます。
そのため、この段階が現況とリフォームの計画を見合わせるチャンスであり、また、必要に応じて計画の再考を行う絶好のタイミングともなります。
現地でリフォーム計画のレイアウトを確認する方法としては、すべての撤去が終わった段階で、計画している各施設の位置をテープなどでリフォーム会社に表示してもらうのがわかりやすいと思います。

テープによるレイアウト表示と配置見直しの例
例えば、各部屋や廊下、キッチン、バスルームなどの計画をテープで実際に表示してみると、位置関係や寸法が具体的にイメージできるようになります。
そうすると、図面で見ていたのと、実際の寸法で見るのとでは、印象が大きく違って感じることになると思います。
また、図面上ではこの通路幅で良いと思っていたけれど、実際の場所に立ってみると狭すぎる、または広すぎるといったことや、他の配置との関係性で使いにくいといったようなことも見えてきます。
また、高さ方向についても同様です。
高さ方向は、平面的なものよりも図面での感覚が掴みにくいところがあります。
例えば、棚の高さや建具の高さなど、実際に現場にテープなどを貼ってもらうと、使いやすさや圧迫感など、この段階で再度確認することができます。
計画の見直し ―撤去した段階でリフォームのレイアウトを再考―
撤去が終わった段階で配置を見直すことは、工程的、費用的に十分に可能です。
それによってメーカーなどに発注していた製品が変更になってしまうといった場合は別ですが、位置関係が変わるだけであれば、工事の工程や予算に影響を受けることは、ほとんどありません。
また、仮に工程や予算に影響を受けるほどの変更を希望する場合でも、そのまま工事を進めてしまうと後悔することが目に見えるようであれば、見直すことを考えた方が良いと思います。
一度リフォームを行うと、後悔したからといってすぐにもう一度工事を行うということは、なかなかできません。
既存のものをすべて撤去し、家の骨格が明らかになった段階が、レイアウトを最終的に決定するのに最も適したタイミングですので、是非その機会に現地を確認し、必要に応じて計画の見直しをすることをおすすめします。
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