中古マンションを購入し、リフォームを行いました。
リフォームを行うにあたって、内装の壁、天井、床などに使用する材料については、できる限り自然素材を使いたいと考えました。
自然素材とは、天然の植物や土などからつくられた自然由来の材料のことを言います。
自然素材を採用するのは現代の流行でもありますが、元々、我が家にはアレルギー体質の人がいるので、化学物質の入った材料はできるだけ避けたいと思っていたからです。
ここでは、壁、天井、床の材料選びについて、今回のリフォームで考えたことを紹介します。
壁材
内装に利用する壁材として考えられるものには、一般に塗壁、クロス、木材などがあります。
その他、タイルやパネルといった、キッチン周りなどで良く使われる材料もありますが、そういった材料を家全体で使うことは想定していなかったため、基本的には、塗壁、クロス、木材で考えました。
塗壁
自然素材の壁材を選ぶ際に、最初に考えていたのは漆喰や珪藻土などの塗壁でした。
リフォーム会社に見積を依頼するときにも、塗壁をひとつの候補としていました。
しかし、塗壁は高額なうえに、職人の技術によって仕上がりに相当な差が出るということでしたので、結果的に採用は見送ることにしました。
もちろん、高度な技術を持った職人を抱えているようなリフォーム会社であれば、塗壁もありだと思いますが、いずれにしても、クロスよりは割高になります。
クロス(壁紙)
壁材で最もよく利用されているのはビニールクロスです。
しかし、材料そのものだけでなく、接着剤にも化学物質を含むことがあるため、特にアレルギー体質の人にとっては避けたい材料でもあります。
一方、クロスには、ビニールクロス以外にも、紙、布、木質系、卵の殻、珪藻土など、自然素材を原料としているものがあります。
これらは、基にしている原料の特徴によって多少の違いはありますが、基本的には有害物質を含まず、ビニールクロスのような独特の臭いもないことから、アレルギーを持つ人にとっても安心して使える材料です。
価格的には、ビニールクロスよりも高めですが、塗壁や木材ほど高価ではないものが多いため、比較的利用しやすい材料と言えます。
木材
内装の壁を木材で仕上げる方法としては、無垢材(1本の木から加工したもの)または合板材(複数の板を接着剤で張り合わせたもの)の使用が考えられます。
ただ、アレルギーを避けるために自然素材を採用するという意味でいうと、利用するのは無垢材に限定されます。
本来は、この無垢材を壁材として利用したいところだったのですが、圧倒的に高価になるので、初期段階で候補から外れてしまいました。
ただ、使い方としては、全面的に壁を木材とすることに拘らず、例えば、床から1mの高さまでの範囲を木材とし、それより上の範囲はクロスにするといった方法も考えられます。
それをうまく組み合わせると、非常にセンスの良い仕上がりとなるので、予算に余裕がある場合は、色々とデザインを考えると楽しいと思います。
しかし、今回は、そこまでの余裕もなかったので、壁の仕上げを木材とすることは、かなり最初の段階で断念しました。
採用した壁材
上記のように、自然素材を条件に候補を挙げ、価格の比較などをした結果、壁材は自然素材のクロスとしました。
自然素材の壁紙の中にも、紙、布、木質系、卵の殻、珪藻土など、様々な材料がありますが、アレルギーの抑制という意味では、基本的には大きく変わらないと思います。
あとは、見積額や材料の質感としての好み、あるいは依頼するリフォーム会社が使い慣れているものといった視点で選べば良いのではないかと思います。
自然素材のクロスの場合には、ビニールクロスよりも施工が難しいので、リフォーム会社が慣れていない材料を使と、場合によっては苦労することもあり得ます。
いくつかの候補の中で、この中であればどれでもOKという状況であれば、リフォーム会社が使い慣れているものを選択した方がうまくいくと思います。
天井材
天井材の考え方は、壁材とまったく同一です。
天井も、理想としては木の無垢材を利用したかったのですが、そこまでの余裕もなく、結果的には壁材と同一のクロスとしました。
床材
内装に利用する床材として考えられるものには、木材、畳、カーペット、タイル・石材、クッションフロアなどがあります。
あまり何種類もの材料を使うと煩雑な印象になってしまいますが、一般的には『水回り意外』と『水回り』とで床材を分けることが多いと思います。
水回り以外の床材
水回り以外の床材に関しては、当初から全面的に木のフローリングとすることを前提としていたので、基本的には、どういった木材を使うかという選択でした。
木材のフローリングには、壁材のところでも記載したように、無垢材と合板材があります。
ここでも、自然素材を採用するという意味でいうと、利用するのは無垢材に限定されることになります。
無垢材は、価格的には決して安くないのですが、無垢以外の床材の選択はないと考えていたので、その中でも比較的コストを抑えられる木の種類を選ぶようにしました。
木の種類には、大きく分けると針葉樹と広葉樹があります。
針葉樹は比較的柔らかくて軽いのに対し、広葉樹は固くて重いといった傾向があります。
針葉樹が良いか、落葉樹が良いかは、完全に好みの問題となりますが、自分の場合は、冬の寒さが厳しい地域に住んでいるので、広葉樹よりも触感的に温かみのある針葉樹を選びました。
また、針葉樹の中では、杉材やパイン材(マツ科)などが、流通量が多く、比較的低コストで採用できる材料となっています。
水回りの床材
一般的に、木材は水に弱いため、全体的に木のフローリングとしている家でも、水回りについては他の床材を使っていることが多いと思います。
特に、脱衣所や洗面所あるいはトイレでは、クッションフロアが良く使われています。
クッションフロアは、塩化ビニール素材で撥水性が良いため、水回りには使いやすい材料です。
しかし、自然素材を採用する視点からは、やはりクッションフロアも除外されます。
また、今回のリフォームにおいては、自然素材を使いたいということのほかに、材質をできるだけ統一したいということも考えていました。
そのため、水回りに関しても、できる限り他の場所と統一して無垢の木材を使うことを考えました。
キッチンと洗面所については、従来でも無垢材の床を使っており、そんなに支障があるとは思っていなかったため、そこは無垢材としました。
トイレについては、実際に廊下からそのまま無垢材の床が繋がった例を見たのですが、それが非常に綺麗な仕上がりで気に入ったため、ここも無垢材を統一して利用することにしました。
ただ、脱衣所だけは、明らかに床が濡れやすい環境であるため、無垢材を統一して使用することは諦めました。
脱衣所については、従来は無垢材の床を使用していたのですが、水に濡れやすい部分では変色が見受けられていました。
やはり脱衣場は、浴室から出たときに、完全に水分が拭き切れていない状態のまま歩いてしまうことが多かったため、床は継続的に濡れた状態になっていたようです。
今回のリフォームでは、脱衣所は洗面所とスペースを区切って配置しており、脱衣所の範囲は決して広いものではないのですが、そこだけは無垢材の使用を避けることにしました。
結局、無垢の木材で統一できなかったのは脱衣所だけですが、脱衣所の床材については、水に強く、自然素材であり、また、他の部分の床材とできるだけ同様の質感をもつ材料を検討した結果、コルク材を採用することにしました。
採用した床材
結果的に、採用した床材は針葉樹の無垢材とコルク材の2種類です。
針葉樹の無垢材は、比較的コストを抑えたスギ材とパイン材を候補とし、実際にサンプルを見て、触れて、パイン材を選択しました。
ある程度候補を絞ったら、実際にサンプルを確認して決めるのが良いと思います。
また、塗料についても、植物由来の自然塗料を使いました。
ただ、自然塗料の場合には、撥水性が高くないものが多いようですので、床に水はねなどした場合には、すぐにふき取ることも必要です。
コルク材については、比較的単価は高いのですが、利用するエリアが広くないので、総額としてはそれほど大きなものにはなりませんでした。
一概にコルク材と言っても、様々な種類や色があるため、採用を考える場合には、やはりサンプルを見ながら最終的に決めるのが良いと思います。
まとめ
リフォームを行うにあたり、壁、天井、床の材料選びについて考えたことを紹介しました。
今回は、自然素材を採用するといったことや、材質をできるだけ統一するといったことをテーマにして材料選びを行いました。
材料選びを行う際には、このように自分がつくりたい家のテーマを設定し、それに合ったものを選択するという方法が良いのではないかと思います。
テーマを設定すると、それぞれの場所で材料を選ぶ視点が変わってしまうことを防げますし、家の中の印象をバラバラなものにしてしまうことも防げます。
また、家族で意見が分かれた場合でも、単に感覚的な嗜好ではなく、どれが最もテーマに合っているかという視点で判断することができるようになります。
以上、リフォームを考えている方の参考になればと思います。
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