自宅マンションを売却しようとする場合、まずは仲介の不動産会社と契約を行い、その後、買い主を探すための広報・販売活動が始まることになります。
その際、家具などをすべて搬出し、家の中を空にしてから販売活動を行う場合が多いと思います。
しかし、すべての家具を搬出する前に、販売広告用の写真撮影をしておくと、物件紹介のHP等で有効に活用できますので、その具体例を紹介したいと思います。
新築モデルルームに家具が配置されている理由
新築の住宅販売のモデルルームには、必ず家具が配置されています。
これは、モデルルームを見に来た人が、その部屋での暮らしを具体的にイメージしやすくするためのものです。
最近では、中古物件の場合でも、あえて家具をレンタルして、モデルルーム化させる『ホームステージング』という方法があり、賃貸物件でも実施されている例があります。
ホームステージング白書2020(一般社団法人 日本ホームステージング協会)によると、不動産仲介においてホームステージングを行った場合には、多くの場合で成約まで(買主が決まるまで)の期間が短くなったとされています。
しかし、一般の売主が自宅マンション等を販売する際にホームステージングを行うのはなかなか大変です。
そこで、既存の家具をうまく活用して写真を準備しておくことをお勧めします。
何もない殺風景な部屋よりも、格段にその部屋での暮らしをイメージしやすくなります。
家具の選択と配置
既存の家具を活用して、“その部屋での暮らしをイメージしやすくする”とはいっても、今まで生活していたそのままの状態では、モノが多く、家が狭く見えてしまうこともあります。
そのため、基本的には広報用に『演出』が必要となります。
まずは、既存の家具の中から、写真写りが良さそうな家具を抽出する必要があります。
そしてそれらを、空間を狭く見せないように使いやすく配置して、印象が良くなるような位置、方向から撮影します。
いわゆる、インスタ映えするような写真を撮るということになります。
撮影した写真を不動産会社に渡せば、現況の写真と合わせてHP等への掲載に利用してもらえます。
バルコニーや庭の演出
部屋の中と同様に、バルコニーや庭のある家では、その使い方について広報用の写真を撮影しておくことが望まれます。
例えば花を飾ったり、イスとテーブルを配置したり、近年流行のアウトドアグッズを配置したりといったことが考えられます。
これらは、HPで物件検索をしている人にとって、スケール感を把握するのに役立ちます。
何もない殺風景な写真では、バルコニーや庭の広さが分かりにくいので、特にその広さをPRしたい物件の場合には、お勧めです。
レイアウトにあたって
部屋の中やバルコニーなどのレイアウトあるいは写真撮影にあたって、『今までこんなオシャレな使い方をしていなかったのに、HPに掲載するために偽装している』と気が引けるところもあるかもしれません。
しかしそれは、まったく問題ありません。
ここで見せたいのは、今までこんな形で使っていたという報告ではなく、この家は、こんな形で利用することができるという提案です。
マンションを売却するということは、そのマンションを販売する側の立場ですので、自分が販売するものの使い方を例示すことは、ある意味当然と言えます。
また、『こんな形で使えます』というレイアウトを考えていると、自分でも、今までそうやって使えばよかったと思うことが出てきたりします。
特に、バルコニーや庭などは、もっと有効に使えばよかったと、その家を手放すときにようやく気付いたりすることがあります。
そういったアイデアは、次の居住先で活かせるものと思います。
まとめ
自宅マンションの売却にあたり、すべての家具を搬出する前に、販売広告用の写真撮影をしておくことについて、その例を紹介しました。
多くの不動産会社あるいは不動産の情報サイトに掲載されている物件の写真は、空室の状態のものであり、スケール感やそこでの生活のイメージを持ちにくいものになっています。
その中に、使い方をPRした物件が並んでいると、目に留まりやすく、興味を持ってもらえる可能性も高まります。
実際に、家具をレンタルした『ホームステージング』の写真を掲載した不動産会社のHPは、その前の状態よりページビューも問合せ数も増えているという結果が出ています。
家具搬出前の部屋の片づけに合わせて、PR用の写真撮影を実施してみてはいかがでしょうか。
参考 ⇒ 物件の査定と不動産会社の選択
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