中古マンションを購入し、そのリフォームを行いました。
リフォームといっても、基本的には、動かすことのできない柱、梁、壁を残し、その他は改修するので、いわゆるリノベーションになります。
こうした、ある程度大きな規模のリフォームを行う場合には、リフォーム会社の方で工事用の図面を作成します。
そして、その図面を施主(依頼者)が確認し、リフォーム内容を決めることになります。
ここでは、その図面確認の際に必要となるスケール感の把握といったことについて、一例を紹介します。
リフォーム工事で作成する図面
リフォーム工事の場合には、新築工事とは違い、作成する図面の枚数は少なく、パースやCG、模型といったビジュアル的に分かりやすい資料を作成することも、ほとんどありません。
一般的には、平面図、部分的な展開図・断面図・詳細図、仕上表、その他メーカー資料等を準備する程度で終わることが多いと思います。
こういった図面をリフォーム会社から提示された際、それぞれの配置や寸法、仕様等をチェックすることはもちろんですが、そのスケール感についても把握することが重要となります。
ただ、上述のとおり、リフォームの場合にはパース(立体的なスケッチ)などのビジュアル資料が提示されることはほとんどないため、図面からそのスケール感を読み取る必要があります。
しかし、相当慣れた人でない限り、図面を見ただけで実際のイメージを思い浮かべるという作業は難しいものとなります。
そういった場合には、図面の中に人の大きさを描き入れてもらうようにすると、スケール感が分かりやすくなります。
一般的な図面の例
ここでは、棚、引戸の図面について具体例を示します。
リフォーム会社から提示される図面にはいくつか種類がありますが、棚、引戸を正面から見た図面(展開図)を例にとります。

一般的な図面の例
実際の図面には、ここに材料や仕上などについて書き込みがされていますが、ここでは寸法だけを記載しています。
この図面を見て、『こんな感じのものができるんだな』程度のことは分かると思いますが、実際にその場に立った時の幅の感覚、高さの感覚などを捉えられる人は少ないと思います。
例えば、棚であれば収納したい物が入る大きさになっているのか、また、引戸であれば搬入したいものが通過できる広さになっているのか、といったことはチェックできると思います。
しかし、棚を実際に使う時、あるいは引戸を実際に通過する時のことを具体的にイメージし、もっと高くした方が良いとか、もっと広くした方が良いといったことを、この図で判断することは難しいと思います。
人の大きさを描き入れた図面の例
上記の図面に、人のシルエットを描き入れてみます。

人の大きさを入れた図面の例
シルエットの身長は、170cmとしています。
最初の図面と比較して、実際にそこに立った時のイメージが断然リアルに感じられると思います。
この例で言うと、例えば引戸については、そこを通過するための十分な空間はある一方、『もう少しゆとりのある高さにした方が良さそうだ』と言ったことも見えてきます。
図の中に人を描き入れたことにより、その場にいる感覚に近いものが得られるようになっているのではないかと思います。
なお、人の大きさについては、実際に利用する人の身長などに合わせて描き込んでもらった方が、さらに実感に近いものとなります。
リフォーム会社には人を描き入れた図面の依頼を
ここでは、立体的な方向から作成した図面を例にとりましたが、他の図面でも同様に人の大きさを描き入れてもらうと、そのスケール感はより分かりやすいものになります。
リフォームの際には、各図面について、人の大きさを示してもらうことをおすすめします。
コメント