ビジネス誌【プレジデント】では、過去に『リタイア前にやるべきだったこと』についてアンケート調査を行っています。
その調査結果を見ると、結局『リタイア前にやるべきだったこと』は、『仕事のために時間をとれなくてできなかったこと』と言えるものになっています。
そして、リタイア後に十分に時間ができたとしても、そこから新たに始めるのには抵抗があったり、あるいは、リタイア後では既に時遅しといった内容であることが見受けられます。
こうした課題への対応策として、セミリタイアという生活スタイルが考えられます。
ここでは、『リタイア前にやるべきだったこと』のアンケート結果に対して、セミリタイアという生活スタイルが持つ可能性について考えたいと思います。
仕事と人間関係に関してリタイア前にやるべきだったこと
プレジデントが行った仕事と人間関係に関してのアンケートでは、以下の項目が『リタイア前にやるべきだったこと』として示されています。
1位:一生続けられる趣味を見つければよかった
2位:親とよく話をすればよかった
3位:友達を多くつくればよかった
いずれも、自分の時間を十分にとれなかった、あるいは、限られた自分の時間を有効に使ってこなかったという反省が表れています。
また、4位以下でも、
・子供とよく話をすればよかった
・会社以外の居場所を見つけておけばよかった
・夫婦で良く話をすればよかった
・仕事はほどほどにして、よく遊べばよかった
など、同様に自分の時間の使い方に関する反省が多く見られます。
セミリタイアが持つ可能性
上記アンケート結果は、確かにリタイア前にやっておくべきことであると納得できる内容です。
しかし、従来通りに仕事を続けていたのでは時間が取れず、なかなかできないこともあります。
そのため、仕事と自分の時間のバランスをとることが必要となりますが、その手段として、セミリタイアは有効な選択肢となり得ます。
セミリタイアには経済的な条件も必要になりますが、セミリタイアすることを意識して生活するのとそうでない場合は、その実現性に大きな違いが出てきます。
『何歳でセミリタイアしよう』という目標を立てると、それに合わせたライフプランを考えるようになり、目標達成の可能性は格段に高くなります。
アンケートに見られるような『やっておけばよかった』という後悔を少なくするための選択肢として、セミリタイアを目指す意義は十分にあると思えます。
以下に、アンケート結果とセミリタイアによる対応の可能性を見ていきます。
一生続けられる趣味を見つければよかった
リタイアしてから新たに何かを覚えたり、体を動かし始めるというのは、それなりにハードルが高い行動になります。
どちらかと言うと、長く続けられる趣味を若い頃から始め、ある程度の技術まで向上させ、そしてリタイア後はその技術を活かしながら無理なく続けるといったことを望む人が多いのだろうと思います。
セミリタイア生活は、支出にそれなりの抑制を必要とする場合が多いと言えますが、新たな趣味を始めるための時間は確保しやすくなります。
そして、セミリタイアをしてから始めた支出の負担が少ない趣味こそは、長く続けられるものになり得ます。
そのため、『一生続けられる趣味を見つければ良かった』という課題に対しては、セミリタイア生活は絶好の対応策になると言えます。
これは、『会社以外の居場所を見つけておけばよかった』、『仕事はほどほどにして、よく遊べばよかった』という課題に対しても同様のことが言えます。
親とよく話をすればよかった
多くの人にとって自身がリタイアする頃には、親は非常に高齢になっていたり、既に亡くなっている場合もあると思います。
例えば、自身の年齢が40歳だとすると、親の年齢は70歳前後ぐらいかと思います。
その場合、男性で言うと平均寿命は82歳ぐらいなので、単純に言うと父親の余命は10年程度となります。
そうすると、親に合うのが1年に1回の人であれば、会える機会はあと10回程度となってしまいます。
セミリタイアは、こうした大切な人との時間を確保するための手段でもあります。
例えば、親が元気なうちに一緒に旅行に行こうと考えていても、自分がリタイアしてからでは、もう遅いということもあり得ます。
先延ばしできない時間を確保するためには、できるだけ早く自分自身が自由に使える時間をつくりだす必要があります。
これは『友達を多くつくればよかった』、『子供とよく話をすればよかった』、『夫婦で良く話をすればよかった』という課題に対しても同様のことが言えます。
まとめ
『リタイア前にやるべきだったこと』のアンケート結果に対するセミリタイアの持つ可能性を整理しました。
セミリタイアは、一生続けられる趣味を始めるための機会にもなり得ますし、親や家族など大切な人との時間をつくるための手段にもなり得ます。
そして、『何歳でセミリタイアする』という目標に合わせてライフプランを立てることは、セミリタイアの実現性を高めることにつながるものだと思います。
以上、『リタイア前にやるべきだったこと』のアンケート結果に対し、セミリタイアという生活スタイルが持つ可能性について示しました。
参考:PRESIDENT 2012年11月12日号
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