50代で早期退職し、セミリタイア生活を送っています。
『会社に拘束されずにもっと自分の時間を有効に使いたい』と考える人にとって、セミリタイアは、ひとつの選択肢となり得るものだと思います。
セミリタイアを選択した人の記事などを読んでいると、それまでの生活に対する不満である場合が多いように見受けられます。
しかしセミリタイアは、後悔のない充実した人生を送るための手段であるとも言えます。
ここでは、後悔しない人生のためのセミリタイアについて、自身が参考にしたこと、考えたことなどについて紹介したいと思います。
リタイア後に自由に楽しめる時間
長寿社会が進む中で、企業では、雇用義務となる年齢が引き上げられてきています。
企業の就業機会が延長されることにより、老後の生活が安定するようにも思えます。
しかし、それに合わせて自身の働く期間を延ばしていくと、リタイア後に自由に楽しもうと思っていた時間が削られることになってしまうかもしれません。
就業機会延長の動向
現在、各企業には、希望する従業員について65歳まで雇用することが義務づけられています。
また、2021年には、70歳までの就業機会確保が努力義務となりました。
そうなると今後は、70歳まで企業で働く人が多くなってくるものと考えられます。
書籍『死ぬ瞬間の5つの後悔 ブロニー ウェア (著)』
ブロニー ウェア の『死ぬ瞬間の5つの後悔』は、著者が緩和ケアの介護で数多くの患者を看取った経験を基にした書籍であり、世界中で翻訳されて読まれています。
ここに登場する患者の多くは、自分の死が近づき、残された時間が少ないことを知ったとき、人生を振り返り、後悔を口にしています。
著者はそれを、以下の『5つの後悔』としてまとめています。
- 自分に正直な人生を生きればよかった
- 働きすぎなければよかった
- 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
- 友人と連絡を取り続ければよかった
- 幸せをあきらめなければよかった
この中で、特に①、②の後悔については、セミリタイアによって回避できる可能性があります。
①、②について、書籍では次のような例が挙げられています。
①自分に正直な人生を生きればよかったと後悔した例
横暴な夫が老人ホームに入り、ようやくその妻は自由を手に入れた。しかし、その後すぐにその女性は病気で寝たきりになってしまい、もっとやりたいことをやるべきだったと後悔した。
②働きすぎなければよかったと後悔した例
仕事中心の生活をしていた男性は、ようやく仕事を引退して妻と旅行に行こうと決めた。しかし、その直後に妻を病気で亡くし、大切な人との時間や自分の時間といった本当に大事なものに目を向けていなかったことを後悔した。
セミリタイアが持つ可能性
この本では、やりたいことをタイミングを逃さずにやること、また、自分の時間・大切な人との時間・仕事の時間のバランスをとること の重要性を伝えています。
これらは、まさにセミリタイア生活が目指しているものと言えます。
会社を辞めるのは勇気がいることですが、今の生活を続けることが後悔の原因になるのであれば、やはり、新しい道の選択も考える必要があります。
定年まで待てば、自然に会社を辞める日が来ますが、その後、本当にやりたいことがやれる時間が残っているとは限りません。
この本の例のように、ようやく自分の時間ができたと思ったら、もう遅すぎたということも考えられます。
現在、65歳までの雇用が確保され、70歳までの就業機会確保が努力義務とされていますが、日本人の平均的な健康寿命は、概ね男性が72歳、女性が75歳と言われています。
そうすると、65歳まで働いた後に健康な状態でいられるのは、7年~10年程度となるわけです。
さらに、70歳まで働いた場合には、健康な状態でいられるのは、2年~5年程度となってしまいます。
こうした数字も、あくまで平均的なものであるため、突然、死が目の前にやってくることもあり得ます。
今回の書籍『死ぬ瞬間の5つの後悔』は、やりたいことや大切なことを後回しにしてはいけないと気づかせてくれるものです。
セミリタイアという生き方は、できるだけ早い段階で自分の時間を取り戻すものであり、それは、死ぬ瞬間の後悔を避けるための方法であると言えます。
死ぬ瞬間の5つの後悔 / 原タイトル:THE TOP FIVE REGRETS OF THE DYING[本/雑誌] (単行本・ムック) / ブロニー・ウェア/〔著〕 仁木めぐみ/訳 |
65歳以上の健康の状況
厚生労働省によると、認知症になる人の割合は今後増えると予測されており、2025年には65歳以上の5人に1人が、2040年には65歳以上の4人に1人が認知症になると推計されています。
さらに、内閣府の高齢社会白書によると、75歳以上の約4人に1人が要介護の認定を受けています。
(要介護とは、運動機能の低下だけでなく、思考力や理解力の低下も見られる状態のことを言います。)
一方、認知症に関しては、日本保健福祉学会誌によると、社会とかかわりが認知症予防につながるとされています。
そういった意味では、生涯にわたって適度に仕事をしながら、自分のやりたいことをやる『セミリタイア生活』は、非常に合理的なものではないかと思います。
まとめ ~セミリタイアによる仕事と自由な時間の適度なバランスの確保~
各企業での就業機会が65歳あるいは70歳へと延長されてきていますが、必ずしもそこまで会社に勤めた後に、ゆっくりとやりたいことができるとは限りません。
将来のことは誰にも分かりませんが、元気なうちにセミリタイアし、自分の時間を有効に使いながら適度な量の仕事を続けていくというのは、有効な選択なのではないかと思います。
こちらも参考にどうぞ ⇒ セミリタイアした人が参考にした情報
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