2年前に会社を退職しました。
現在はフリーランスで仕事をしていますが、会社にいた頃よりは大幅に仕事の量を減らしており、その分、収入も減っています。
その結果、同居している家族の方が自分よりも相対的に収入が多くなったため、世帯主をその家族の名前に変えることにしました。
『世帯主』というのは、主に世帯の生計を維持する人であり、必ずしも家族の中で収入が多い人である必要はありません。
そのため、自分の収入が他の家族よりも少なくなったからと言って、世帯主を変えなければならないものでもありません。
しかし、世帯主だった人が会社を辞めた場合、当然ですがその人がそれまでに会社から受け取っていた手当はなくなります。
一方、それに代わって他の家族に世帯主を変更すれば、その家族が務める会社から新たに手当てを受け取れるようになる可能性もあります。
世帯主の変更をせずにそのままにしていたら、そういった手当を新たに受け取ることはできないため、その可否は是非確認すべきだと思います。
家族の中で誰が世帯主になったとしても、今の生活に何ら変化が起きるわけでもありません。
単に住民票の『世帯主』の部分を変更するだけで、その家族が会社から手当を受け取ることができるのであれば、あえて変更しない理由はないと思います。
ここでは、今回行った『世帯主変更によって家族の手当てが増えた』という例について紹介したいと思います。
会社を退職する前の収入の状況
我が家は2人暮らしで、以前は2人とも会社員でした。
自分は何十年と会社勤めをしていたのですが、もう一人は正社員になってまだ5年程度です。
規模的には自分が勤めていた会社の方が圧倒的に小さかったのですが、勤続年数が長いこともあり、収入は自分の方が多い状況でした。
会社を退職した後の収入の状況
自分は会社を退職後、フリーランスとして働いていますが、そもそも自由な時間を確保するために会社を辞めたので、仕事量は抑制しています。
その結果、同居する家族よりも、はるかに収入は少なくなりました。
フリーランスという立場上、会社員のように収入額は一定ではありませんが、このペースで仕事をしている限りは確実に自分の収入の方が少ない状況が続くことは間違いありません。
なお、収入は少なくなっていますが、その家族の扶養には入っていません。
世帯主の変更手続
世帯主の変更手続は、非常に簡単です。
役所に行って、変更の書類に記載を行うだけです(免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類は必要)。
今回の場合は、自分が国民健康保険に入っていたので、その納付義務者も変わることになりました。
国民健康保険の納付義務者は、その世帯の世帯主であるため、世帯主が変わると保険の納付請求書の宛名も変わります。
ただ、それは単に通知の宛先が変わったというだけで、実際の納付を誰が行うかということとは別であるため、特に問題はないことかと思います。
その他、役所からの通知などで世帯主宛に送られてくる類のものは、今まで自分の名前で届いていたものが家族の名前で届くようになりますが、それも特に支障になるようなことではないと思います。
家族が所属している会社の手当の状況
一般的に、各企業が支払う給与には各種手当が付加されています。
手当の内容はそれぞれの会社によって違いますが、住宅手当や世帯主手当といった名目の手当がある会社も多いと思います。
そして、住宅手当や世帯主手当が支給されるのは、『世帯主であること』が一般的な条件となります。
今回、世帯主に変更した家族が所属している会社でも、住宅手当・世帯主手当に該当するものがありました。
その支給条件は世帯主であることに加え、その世帯で最も収入が多いこととなっていました。
つまり、単に住民票の記載が『世帯主』になっているだけではなく、その世帯の中で最も収入が多くなければ、その手当を受け取ることができないことになっているわけです。
今回の場合は、その会社に自身の確定申告の書類を提出することによって、自分の収入がその家族よりも少ないことを証明しました。
世帯主を変更したことによって家族に支給された手当
上記のとおり世帯主を変更し、家族が勤める会社にその届け出を行いました。
その結果、毎月約5万円の世帯主手当が支給されるようになりました。
仮に、世帯主の変更をせずにそのままにしていたらまったく受け取ることができなかった手当ですが、変更手続きをして会社に届け出ただけで、年間約60万円の収入増になったわけです。
今回の場合は、たまたまその会社が住宅手当に力を入れていたので、ここまで収入がアップしたという事例ではあります。
しかし、その額に違いはあっても、多くの会社では住宅手当や世帯主手当に該当するものがあるので、世帯主が会社を退職した際、家族内に会社員がいる場合は、その会社の手当の条件を確認してみる価値はあると思います。
以上、世帯主変更によって家族の手当てが増えた例について紹介しました。
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