1年程前に中古マンションを購入してリフォーム(リノベーション)を行いました。
当初から全面的にリフォームすることを想定していたので、部屋の中の劣化状況はあまり気にせず、どちらかというとマンション全体の管理状況、あるいはどういった形にリフォームできるだろうか といったことに着目して物件探しを行いました。
中古マンションを購入・リフォームしようとする場合、できるだけ条件に合った物件を探すこと、そしてそこで希望通りのリフォームを行うことができるかどうかを確認することが必要となります。
『条件に合った物件』については、人によってその視点に違いがありますが、中古マンションに共通してチェックすべき事項もあります。
また、『希望通りにリフォームできるか』については、部屋の形状だけでなく、そのマンション特有のルールや条件がある場合もありますので、その確認も必要です。
ここでは、自身の体験を踏まえて感じた『中古マンションを購入してリフォームを行う際の注意点』について紹介したいと思います。
中古マンション内見時の注意点
2023.10.19の日本経済新聞夕刊に、『中古マンション購入時の盲点』という記事が掲載されていました。
その中では、中古マンションの内見時のポイントとして、ごみ捨て場や駐輪場などの共用部の管理状況をチェックすべきであることが記載されていました。
過去にマンションを所有していた人が 新たに中古マンションを探す場合には、共用部の管理状況についても忘れずにチェックするのではないかと思います。
一方、初めてマンションを購入しようとする人にとっては、共用部のチェックは見落としがちなことなのかもしれません。
自身の場合は、以前に別のマンションを所有しており、その売却を行ったこともありましたので、共用部の管理状況がその物件の価値に大きく影響を与えることは強く実感していました。
マンションは『管理を買え』といわれることもありますが、そういった意味では、新築よりも中古の方が維持管理の状況を実際に見ることができるので、良いところなのかと思います。
共用部の内見は管理員同行で
自身が内見を行った際には、不動産会社はもちろんですが、そのマンションの管理員にも同行をしてもらい、共用部をすべて見て回りました。
不動産会社は、そのマンションの共用部の状況まで把握しているわけではないので、実際にそこで管理業務を行っている管理員に同行をしてもらった方が、確実な情報を得ることができます。
さらに、不動産会社の場合には、とにかく購入してもらうためにセールストークを行ったりもしますが、管理員にとってはその人が購入してもしなくても何ら利害が発生しないので、本当のことを聞くことができるという利点もあります。
管理員に時間を割いてもらうのは恐縮ではありますが、購入してから後悔することがないように、できるだけいろんな場所について説明を受けながら確認する方が良いと思います。
今回の場合、その管理員が非常に親切な人だったので、それぞれの場所の状況や使い方のルール、そして課題となっていることなどについて丁寧な説明を聞くことができました。
ただ、その場で急に管理員に依頼しても、都合が合わない場合もあると思います。
そのため、内見の際には、事前に不動産会社を通して管理員に連絡しておいてもらった方が良いと思います。
なお、そのマンションで実際に生活することを考えると、管理の状況はもちろんですが、管理員がどういった人なのかということも重要なことではないかと思います。
多くの場合、管理員は数年で交代してしまいますが、それでも、そのマンションに入居する時に何かと相談しやすい管理員の方が、引越しやリフォームも円滑に進めることができるのではないかと思います。
そういった、『管理員の対応』を知る意味でも、内見時には同行を依頼することをおすすめします。
内見時に行ったこと
共用部の内見では、ごみ捨て場・駐輪場・駐車場・廊下などを見て回ったほか、受水槽や雨水排水施設、そして台風時などの災害対策の方法などについても説明を受けました。
購入をした後に、『それは知らなかった』ということができるだけないように、事前に準備していたチェック事項と見合わせながらマンション内を見て回るようにしました。
管理状態について思うこと
上記の新聞記事にも記載されていたとおり、共用部の状況を見て回ると、そのマンションの管理状況が分かるというのは確かだと思います。
ただ、それはそこで対応している管理員の資質によるところも大きいのではないかという気がします。
一般的に、管理員(管理会社)は、共用部の清掃を行う業務を委託されています。
しかし、その清掃の方法までが具体的に定められていることは少なく、一口に清掃と言っても、どこまでやるのかについては、その管理員次第でもあります。
例えば、共用部の廊下の場合、一般的に管理員が清掃するのは、その床面や手すりといった部分だと思います。
本来は、各戸の玄関ドアの外側面や、共用部の廊下に面する窓の外側面も共用部ではありますが、そこまで管理員が掃除しているマンションは少ないと思います。
そうした玄関ドアや、窓の外側については、各戸の所有者が掃除するのが一般的ですが、必ずしもそれぞれの人が日常的にキレイにしているわけでもありません。
そういった中で、本来は共用部であるドアや窓の外側まで掃除をしてくれる管理員もいます。
今回のマンションの管理員が、まさにそういった人でした。
資質の高い管理員によってマンションの価値が維持される
上記のような きめ細かい管理が一度行われると、その後に管理員が他の人に変わった場合でも、同様の管理水準が維持されやすくなります。
それは、管理の質が落ちると、「これまでやっていたことがやられていない」と居住者からクレームが出るからです。
つまり、資質の高い管理員が一旦そのマンションを担当すると、その後の管理員はそれと同じように管理しなければ、作業が不足しているように捉えられてしまうのです。
実際、自身が入居したマンションでも当初の管理員が交代し、その後、作業の質が落ちた部分が見受けられるようになりました。
しかし、それに対して居住者から指摘があり、結果的には新たな管理員にも以前のやり方を踏襲してもらうことになりました。
結局、管理は人が行うものなので、その管理作業を行う人の資質がそのマンションの管理状態に影響を与えてしまうことになります。
そういった意味でも、内見時には管理員に会い、そのマンションの管理体質を直接感じることが望ましいのではないかと思います。
希望通りのリフォームを行うための注意点
条件に合った物件を探す一方、その物件が思うようにリフォームできるのかといったことも重要な確認事項です。
希望通りのリフォームを行うためには、購入する部屋の広さや形状といった構造的な制約はもちろんですが、それぞれのマンションの管理規約等による制約などにも注意が必要となります。
動かせないものの確認
マンションの場合、間取りを大きく変えられないように思われがちですが、部屋の中は基本的に外枠を残して全面的にリフォームすることが可能です。
その中で、どうしても動かすことができないものに関しては、事前に確認しておく必要があります。
例えば、構造躯体である柱や梁、あるいはマンションの上層階から下層階までを貫くパイプスペースなどは移動させることができません。
また、水回りに関しては、排水の勾配が十分にとれない場合には大きく移動できないこともあります。
こうした条件は、ある程度建築の知識がないと判断できないものもありますので、リフォームのイメージがあらかじめ決まっている場合には、詳しい人に同行してもらって確認した方が無難だと思います。
管理規約の事前入手
上述の日本経済新聞の記事には、マンションの管理規約を事前に確認することの必要性についても触れられていました。
多くのマンションでは、管理規約の中にリフォームに関する条件が記載されています。
また、工事の方法などに制約がある場合もあります。
そのため、管理規約については、不動産会社を通してなるべく早い段階で入手しておくことが望まれます。
また、不明な点については、あらかじめ管理組合や管理会社などに確認しておいた方が無難だと思います。
以上、自身の体験を踏まえて感じた『中古マンションを購入してリフォームを行う際の注意点』について紹介しました。
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