自宅マンションを売却し、新たに別の場所で中古マンションを購入した経験を基に、物件探しの注意点や購入後の不満を避ける方法について、その例を紹介したいと思います。
物件探しの注意点
中古マンションなどの不動産を探す際、多くの人は希望に合う物件をネットで検索していることと思います。
しかし、長期間にわたってネットの情報を追いかけていても、なかなか条件の良い物件に出合えないことも多いと思います。
それは、好条件の物件は、ネットに掲載される前に売れてしまうからです。
つまり、ネットに掲載されているのは、”ネットに掲載される前に売れた物件『以外の物件』” ということになります。
そのため、いくらネットで希望の物件を探し続けていても、良い物件に巡り合える可能性は非常に少ないことになります。
ネットに掲載された情報の中に好条件の物件が残されている可能性は低い?
多くの不動産会社では、中古マンションなどを求める人の情報が事前に登録されており、それぞれの希望条件があらかじめ明らかになっています。
そして、その希望に合った物件が売りに出されると、不動産会社はネットに掲載する前に、登録者に物件情報を提供して購入の意向を確認します。
この段階で、好条件の物件は購入者が決まってしまうことになります。
そして、一通りの登録者が購入を見送った物件だけがネットに掲載されます。
極端な言い方をすると、ネットに掲載された物件は、その前の段階で『売れ残った』物件ということになります。
つまり、ネットで検索している物件の中に、好条件の物件が残されている確率は非常に低いわけです。
複数の不動産会社に希望条件を登録しておいた方が良い
そのため、自分の希望に合った良い物件を手に入れるためには、不動産会社にその条件を登録しておく必要があります。
登録する不動産会社は、自分がマンションを購入したいエリアの営業に強い会社を複数選ぶことが望まれます。
不動産会社がそのエリアの物件をどれだけ取り扱っているかは、その会社のホームページの情報量で判断できると思います。
なお、希望条件を登録する際には、ネットからではなく、その不動産会社を直接訪ねて、細かく条件を伝えるという方法をとった方が良いと思います。
ネットからの登録だと、不動産会社の方も、『興味本位で登録している案件の1つ』としてしか取り扱わないこともあり得ます。
しかし、直接会って話をすると、不動産会社にもその本気度が伝わりますし、やはり直接的に顔を見合わせると、お互いの距離が近くなり、不動産会社からの情報提供の優先度が上がることも考えられます。
そして、その後も時々連絡を取り合っていると、まだ売りに出ていない物件の情報を教えてもらえるようになることもあります。
例えば、地元の不動産会社の場合は、日頃から条件の良い物件を手に入れようとそのエリアを回っているので、『あの物件と現在調整中』だとか、『あそこで動きがありそうだ』といった、事前の情報を入手できることもあります。
また、その不動産会社自体が行おうとしている分譲の計画を、早めに聞くことができる場合もあります。
そのため、自分が物件を探しているエリアにおける情報をいち早く入手し、希望の物件を手に入れるためには、地元の不動産会社に出向いて条件登録し、その不動産会社と継続的に情報交換を行うことが必要と言えます。
中古マンション購入後の不満を避けるための方法
中古マンションの購入時には、費用や築年数、駅からの距離などの条件のほかに、住人トラブルの有無なども気になるところです。
中古マンション購入者へのアンケートによると、購入後の不満で最も多かったのは、住人のマナーでした。
マナーや近隣の騒音などについては、住んでみなければ分からないところもありますが、購入前にも、ある程度調べることは可能です。
中古マンション購入後の不満に関するアンケート
株式会社groove agentが行った『購入後に抱いた中古マンションへの不満』のアンケート結果によると、1,000人のうち364人が、マンション購入後に不満を感じていると回答しています。
不満の内容は、多い順に以下のようになっています。
- 住人のマナー
- 近隣住戸の騒音
- 管理状態
【出典「ゼロリノベ調べ」URL=https://www.zerorenovation.com/)】
こういった不満は、マンションの価格や駅からの距離などとは違い、住み始めてから見えてくるものです。
しかし実際には、その前からそのマンション内では表面化していた問題でもあったはずです。
住人のマナーも、騒音や管理状態も、問題を起こしているのはそのマンション内の一部の人、あるいは管理人であり、それ以外の圧倒的多数の居住者は、それらを以前から不満に思っていたはずです。
そのため、事前にこうした居住者の不満を確認することができたら、上記のような失敗は防げた可能性があります。
購入後の不満を避ける方法
購入後の不満を避けるためには、実際に住んでいる人に話を聞いてみるのが一番です。
しかし、何のツテもなく、いきなりそのマンションの住人の家に話を聞くというのは、非常にハードルが高い行動です。
そこで狙い目なのが、ママ友などがマンションの玄関先で立ち話をしているところに行って、何気なく話しかけるという方法です。
急にヒアリングを始めると警戒されますので、まずは普通に挨拶から入れば、先方もマンションの住人かなと思って、挨拶を返してくれるはずです。
その段階で、まともに挨拶が返ってこないようであれば、そのマンションを買うのは即刻辞めた方が良いという判断にもなります。
ここは、第一のチェックポイントになっているとも言えます。
あまり多人数で会話しているところに入っていくのは抵抗がありますが、少人数で雑談をしているような場合には、比較的話しかけやすいのではないかと思います。
そして、「このマンションがとても気に入って、購入を考えているのですが、住み心地はどうですか」と言った感じで、まずは『このマンションが気に入ったので住みたい』というところを素直に表現した方が、受け入れられやすいと思います。
既にそのマンションに住んでいる人にとって、そこが気に入ったという話は、悪い気がするものではありません。
まずは、どこが気に入っているのかなどを話題にすることで、話を円滑に始められる可能性があります。
そして、そのマンションの良いところの話をしたついでに、『実際に住んでいて気になっていることを聞く』といったスタンスをとった方が、自然にいろんなことを話してくれる可能性が高まります。
ママ友同士の立ち話を狙うのが良いのは、子育て世代の母親は、比較的マンションにいる時間が長く、マンション内の問題を良く把握しているという点と、一旦話し出すと、いろんなことを話してくれる傾向にあるという点です。
居住者に直接話を聞くことは、マンションの問題点を事前に把握し、購入後の不満を防ぐことが可能になるほか、そのマンションの雰囲気を感じることができるという点でもメリットがあります。
~物件探しの注意点と購入後の不満を避けるための方法 まとめ~
これから中古マンションなど物件を購入しようと考えている人に向けて、できるだけ早く希望の物件を見つけるための注意点、及び購入後の不満を避けるための対応策について例を示しました。
整理すると、以下のようになります。
- ネットには、好条件の物件は出てこない。
- 購入予定の地元の不動産会社を訪ねて希望条件を伝えることが必要。
- 継続的に不動産会社と連絡を取り合うことにより、世の中に出る前の好条件の情報を入手するように心がける。
- 実際に住んでいる人にそのマンションの状況を聞いてみる。
以上、自身の経験を基にした一例として参考にしてもらえたらと思います。
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