セミリタイアは、定年を迎える前に退職し、その後は自分の時間を優先しながら必要な分だけ仕事をするといったライフスタイルです。
セミリタイア生活を始めた人の中には、仕事上のストレスなどから解放されるために、結果的にセミリタイアをすることになったという例もあります。
一方で、計画的に資産を形成し、目標金額に達した段階でセミリタイアを始めたという人もいます。
ここでは、セミリタイアをテーマに運営されているブログを調査し、目標金額に達したことを理由にセミリタイアを開始した人を、セミリタイア開始時の資産別に整理しました。
また、計画をしていなかったものの、結果的にセミリタイアを始めることになった人の『きっかけ』について抽出を行いました。
目標額に達したためにセミリタイアを開始した人の調査
セミリタイアをテーマに運営しているブログを可能な限り調査しました。
その中で、セミリタイア開始時点の資産とセミリタイアを始めた理由、きっかけなどが記載されているものについて抽出し、整理しました。
計画的に資産形成してセミリタイアした人の割合
目標金額に達したことを理由にセミリタイアを開始した人の割合を、資産額別に整理したのが下の表となります。
全体としては、40%の人が計画的に資産形成し、セミリタイアを行っています。
資産額別にみると、資産額が多くなるほど目標金額を達成してセミリタイアに移行しているという傾向が見られます。
この表を見ると、概ね6,000万円以上を目標額としてセミリタイアを始めている人が多いことが伺えます。
また、1億円以上になると、7割近い人が目標額達成を理由にセミリタイアを開始しており、1億円をひとつの区切りとしていることも分かります。
計画はしていなかったけれどセミリタイアを始めることになったきっかけ
上記のように目標金額を設定し、それを達成した段階でセミリタイアに移行した という人は40%を占めていますが、それ以外に結果的にセミリタイアをすることになったという人もいます。
その理由を大きく分けると、次のようになります。
- とにかく今の生活をすぐに変えたかったため
- 家庭内などの事情により会社勤めが難しくなったため
- 何かをきっかけに自分がセミリタイア可能であることに気づいたため
それぞれについて具体例を見てみます。
とにかく今の生活をすぐに変えたかった
これは、今の仕事、会社への不満であるとか、組織の中で働くことが苦手などの理由により、計画的に資産形成を行う余裕もなく、すぐにでも会社を辞めたかったというものです。
特に、資産2,000万円未満でセミリタイアした例を見ると、67%もの人が、こうした理由でセミリタイアを行っています。
資産を十分に準備する時間もなく、『すぐにでも今の生活を変えたい』 という思いから、セミリタイアを急いだ例と言えます。
家庭内などの事情により会社勤めが難しくなった
これは、子供の世話や親の介護など、家族あるいは身近な人との時間をどうしても確保する必要があるためにセミリタイアに移行した というものです。
資産形成をする余裕もなく、思いもかけず家庭の事情が発生した結果、セミリタイアという形になった という例になります。
自分がセミリタイア可能であることに気づいた
これは、特に今までセミリタイアなど意識していなかったにもかかわらず、何らかの情報を基に、自分がセミリタイアを始められる状況であることに気づいた という例です。
そのきっかけとして最も多かったのは、会社での退職金割増制度による早期退職者の募集です。
早期退職者募集の条件を見て自身の資産を計算し、この先十分に生活していけると気づいてセミリタイアを始めたという例は、意外と多く見られます。
例えば、資産6,000万円以上8,000万円未満では20%、8,000万円以上1億円未満では14%、1億円以上では17%の人が、セミリタイアのために退職金割増による早期退職制度に応募しています。
当然ですが、資産が比較的少ない場合にはこれに該当する人は少なくなり、資産2,000万円未満および2,000万円~4,000万円の場合ともに、0%となっています。
そのほか、何かをきっかけにセミリタイアの可能性を認識したというものの中には、偶然目にしたネット情報やYouTubeなどがあります。
中でも、『中田敦彦のYouTube大学 ~働かないで生きていく~』や『両学長 リベラルアーツ大学 ~FIREに関する動画~』などがその具体例として挙げられています。
元々セミリタイアを考えている人は、既にこれらの動画を見ている可能性も高いと思いますが、いずれもセミリタイアの動機付けとなるような内容となっています。
まとめ ~どんなライフスタイルでも資産形成が重要~
目標金額に達したことを理由にセミリタイアを開始した人の割合を、資産額別に整理しました。
その結果、全体としては40%の人が計画的に資産形成を行い、セミリタイアへと移行したことが分かりました。
また、計画はしていなかったものの、結果的にセミリタイアを始めた例としては、今の生活をすぐに変えたかったから、家庭内の事情により会社勤めが難しくなったから、自分がセミリタイア可能であることに気づいたから、といった理由が見られました。
一概にセミリタイアと言っても様々な生活水準があることが分かりますが、いずれにしてもできるだけ早く資産形成を行い、『セミリタイアも可能な体制』をつくっておくことが、ライフスタイルの可能性を広げることになると言えます。
参考 ⇒ セミリタイアの唯一の後悔
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