マンションの全面的なリフォームを行いました。
その際、国土交通省の『こどもみらい住宅支援事業』の補助金申請を行いました。
『こどもみらい住宅支援事業』は、2022年度に交付申請を受け付けていた補助制度ですが、2023年度は『こどもエコすまい支援事業』という名称で、ほとんど同じ内容の補助制度が創設されています。
ここでは、自身が行ったリフォーム工事の中で、補助の対象になったものについて具体例を紹介したいと思います。
こどもエコすまい支援事業におけるリフォームの補助制度
今回のリフォームで実際に申請したのは、2022年度に実施されていた『こどもみらい住宅支援事業』ですが、現在は『こどもエコすまい支援事業』として実施されているので、『こどもエコすまい支援事業』の補助内容に基づいて概要を示します。
補助の条件
『こどもエコすまい支援事業』は、次の3つを補助対象としています。
- 注文住宅の新築
- 新築分譲住宅の購入
- リフォーム
この中で、注文住宅の新築と新築分譲住宅の購入については、子育て世帯または若者夫婦世帯のいずれかであることが条件となります。
しかし、リフォームについては、すべての人が対象となるので、必ずしも子育て世帯や若者夫婦世帯である必要はありません。
名称に『こども』が付いているので勘違いしやすいのですが、だれでも補助を受けることができます。
ただ、補助を受けるためには、この事業に登録をした事業者(こどもエコすまい支援事業者)にリフォームを依頼する必要があります。
補助申請は自分で行うのではなく、この登録事業者から行うシステムになっているので、補助を受けたいと思う場合には、『こどもエコすまい支援事業者』の登録が行われているリフォーム業者を探す必要があります。
補助対象となる工事
『こどもエコすまい支援事業』で補助対象となるリフォーム工事は、下表のとおりです。
この表の中で、Aの欄に該当する工事が入っていないリフォームの場合には、補助を受けることができません。
Aの欄の工事だけでも補助は受けられますが、Bの欄の工事の場合には、Aの欄の工事と同時に行う場合にだけ補助を受けることができます。
つまり、Aは補助を受けるための必須項目、Bは補助を受けるために必須条件とはならない任意項目ということになります。
また、リフォーム工事に採用する製品は、『こどもエコすまい支援事業』に登録されたものでなければ補助を受けることはできません。
そのため、仮に同じ金額の製品であっても、一方は補助対象で、もう一方は補助対象ではないといったこともあり得ます。
基本的に大手メーカーの最新の製品の多くは補助対象となっていますが、国土交通省の『こどもエコすまい支援事業』のホームページで対象製品の検索ができますので、確認をしておく方が無難です。
補助額については、使用する製品等のサイズや仕様によってそれぞれ違いますが、これも『こどもエコすまい支援事業』ホームページで確認できます。
なお、補助額が合計5万円以上にならないと補助を受けることはできません。
基本的には、『こどもエコすまい支援事業者』に登録をしているリフォーム業者に確認すれば、補助の対象になる工事はどれか、補助を受けられる製品はどれか、補助額はいくらになるかといったことは分かるはずです。
ただ、リフォーム業者を信用して良いかというと、必ずしもそうではありません。
事業への登録はしていても、申請に慣れていない業者や間違って理解している業者もいますし、見落としや間違いは往々にして発生します。
今回行ったリフォームでも、最初はリフォーム業者の方から、「補助額が合計5万円以上にならないので補助は受けられません」と言われていました。
しかし、自分で計算した結果、確実に5万円以上になることが分かったため、改めて申請をしてもらうことになりました。
補助の対象となるリフォーム工事の名称が非常に分かりづらいので、こういったミスも起こりやすくなっています。
申請をする際には、リフォーム業者の申請書類をチェックし、疑問点は徹底的に解明するようにした方が良いと思います。
今回のリフォームで補助の対象となった項目
今回のリフォームで補助の対象となった項目を、実際の申請書類で見ると以下のようになります。
上記申請書類の中から今回のリフォームで補助対象となった項目だけを抜き出すと、以下のとおりとなります。
【必須項目】
《断熱改修等》
- 開口部(窓・ドア)の改修(断熱改修、防犯性の向上、生活騒音配慮)
《エコ住宅設備の設置》
- 節湯水栓の設置
【任意項目】
《子育て対応改修》
- ビルトイン食器洗機の設置
- 掃除しやすいレンジフードの設置
- ビルトイン自動調理対応コンロの設置
《その他》
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- バリアフリー改修(手すりの設置、段差解消、廊下幅等の拡張)
補助対象となった項目のリフォームの状況と補助額
補助対象となった項目のリフォームの状況とそれぞれの補助額を以降に示します。
合計の補助額は、12万9千円です。
なお、ここで示した補助額は、2022年度の事業である『こどもみらい住宅支援事業』に基づくものであり、2023年度に実施されている『こどもエコすまい支援事業』の補助額とは若干違うものもあります。
(2023年度に実施されている『こどもエコすまい支援事業』の方が、補助額が高くなっているものがあります。)
開口部(窓・ドア)の改修
【内窓設置】
- 製品:YKK AP マドリモ内窓 プラマードU
- 性能要件:省エネ+防音
- 補助額:37,000円(リビング窓21,000円、寝室窓16,000円)
節湯水栓
- 製品:タカラスタンダード タッチレス式洗面水栓、タッチレス式キッチン水栓、サーモスタット浴室水栓
- 補助額:15,000円(5,000円×3か所)
ビルトイン食器洗機
- 製品:タカラスタンダード ビルトイン食器洗い乾燥機 NPシリーズ
- 補助額:19,000円
掃除しやすいレンジフード
- 製品:タカラスタンダード ホーロークリーンレンジフード
- 補助額:10,000円
ビルトイン自動調理対応コンロ
- 製品:タカラスタンダード ビルトインIHヒーター HTBシリーズ
- 補助額:13,000円
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- 製品:ダイキン工業 4kwエアコン RXシリーズ
- 補助額:24,000円
バリアフリー改修
【手すりの設置】
- 仕様:玄関その他への手すり設置
- 補助額:5,000円(工事個所数によらず補助額は一定)
【段差解消】
- 仕様:脱衣室の段差解消
- 補助額:6,000円(工事個所数によらず補助額は一定)
補助事業についての注意点と感想
『こどもエコすまい支援事業』は、リフォーム時に利用される一般的な補助金ですが、補助対象となる工事名称などの設定が分かりにくく、勘違いしやすいものになっているので注意が必要です。
おそらく、実際に申請を行うリフォーム業者でも、正確に理解できている人は少ないのではないかと思います
リフォーム業者の立場としては、自分の会社に補助金がもらえるわけではないので、言ってしまえば、良く分からずに少ない金額で申請しても、何も損をすることはありません。
そのため、リフォームを依頼した人は、業者に任せきりにしていると、もらえるはずの補助金がもらえなかったり、本来の額より少なくなったりする事もあり得ることになります。
実際、今回の場合も「補助額の合計が5万円以上にならないので補助を受けることができない」とリフォーム会社に言われたものが、自分で計算してみると12万9千円の補助額になっています。
そういった損失を避けるためには、自身で必ずチェックすべきなのですが、各製品が補助対象になっているかどうかを調べるのも結構大変な作業です。
そんな場合は、使用する製品のメーカーに確認してしまった方が早く解決します。
メーカーに聞けば、補助対象となっている製品がどれなのか、また、それによってどれだけの補助をもらうことができるのかが、すぐに明らかになります。
さらに、「補助がもらえるのであれば、製品のグレードを上げた方が良いかも」といった新たな発想が出てくる可能性もあります。
補助申請の適否確認と合わせ、受けられる補助額によっては、製品の見直しを行うことも考えておいた方が良と思います。
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なお、補助金の申請については、各年度の予算上限に達した段階で受付終了となるので、早めに申請することをおすすめします。
以上、自身が行ったリフォーム工事の中で、補助対象に該当したものについて、その具体例を紹介しました。
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